一枚の絵を見に行く。
私が旅に出る目的は、この一点に限る。
では、なぜわざわざ絵を見るためだけに出かけるのか。
それは、純粋に『好きだから』なのだと思う。
『一枚の絵を見に行く』という、私の人生のテーマは人生を豊かにしてくれるだけではなく、自分と向き合う、何かを感じるといったような哲学で感覚的な何かをもたらしてくれる。
今回足を運んだのは、島根県立美術館だ。
美術館の公式ホームページはこちら
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SHIMANE ART MUSEUM | 島根県立美術館 (shimane-art-museum.jp)
この美術館は、島根県松江市の宍道湖畔に佇んでおり、湖を一望することができる。
キラキラと輝く水面を見つめながら、アート作品を心ゆくまで楽しむことができる。
因みに、《夕日につつまれる美術館》としても有名で、宍道湖の夕日をゆっくりと味わえる。私は次回、ぜひ夕日を見にもう一度訪れたい。
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テラスに出ると、湖と調和した美術館の見事な佇まいを楽しめる。
さあ、入場チケットを手にしたら、早速作品も楽しみに行こう。
私が個人的に気に入っている作品は、ギュスターヴ・クールベ《波》1869年だ。
ギュスターヴ・クールベといえば、19世紀のフランスで活動し、自分が目に見たものしか描かない写実主義の画家だと言われている。
いかがだろうか。クールベが表現する、海の荒々しさは。
水しぶきを立てながら叫ぶ、地球の脈動が聞こえてくるようだ。
そこには何の飾り気もなく、ただただ海が波を立てながらそこに存在している。
そして海は、私たち生命の起原でもある。自然の崇高さ、神秘的な何かもこの絵から感じるような気もする。
非常にシンプルだけれども、ストレートで力強い地球の叫びを、クールベの表現を、島根県立美術館で感じることができる。
もう一点、お気に入りの作品を紹介しよう。
こちらは、ラウル・デゥフィ《ニースの窓辺》1928年だ。
描かれているのは、マティスがアトリエとして借りていた南仏ニースのホテルの一室である。
黄色でカラフルに、ポップに彩られた室内には人の姿はない。しかし、描かれた家具や絨毯、意図的にテーブルに置かれた物、開かれた窓からは人の気配を感じられる。そして窓の向こうには、エメラルドグリーンに輝く海や、カモメ、にぎわうビーチが描かれている。
何だかリズミカルで、見ていてとても楽しい。
窓宍道湖と調和した美術館ということもあり、海を題材にした作品が印象に残ったが、ほかにも葛飾北斎をはじめとする日本画や、写真、彫刻といった多彩な作品を楽しむことができる。
ぜひお気に入りの一点を見つけに、島根県立美術館を訪れてみてはいかがだろうか。
さて、次はどこへ行こうか。
クールベの作品が気になった方は、こちらの書籍がおすすめなので、ぜひ手に取って頂きたい。
kindle版
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こちらは、島根県立美術館が紹介されている書籍だ。
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